広島県農業再興フォーラム(第27回JA広島県大会)

元気な農業高校生たちの活動報告

広島県の農業が変わる、若い力が変える

広島県立油木高等学校 持田 里奈 さん 若林 直希 さん 酒井 水乃理 さん

ナマズ養殖にかける地域の未来

広島県立油木高等学校
持田 里奈 さん 若林 直希 さん 酒井 水乃理 さん

私たちの学校のある神石高原町は、過疎化、高齢化が非常に深刻で、多くの耕作放棄地が存在します。私たちは、町内唯一の農業高校として、その耕作放棄地を手間をかけず収益の上がるものにできないかと試行錯誤の末、ナマズの養殖にたどり着きました。ナマズは泥水に強く、農地を池に変え養殖するにはうってつけの魚です。養殖の盛んなアメリカでは立派なビジネスとして成り立っています。私たちも地域の活性化のために、ナマズ養殖を一つの産業として捉え、実践をスタートさせました。
実際ナマズは、関東では高級魚として知られ、手間もかからないことから、かなりの収益が期待されます。
最初は手探りで始めたナマズの養殖ですが、2年前にはナマズの加工販売もスタートさせました。蒲焼き、唐揚げなどその美味しさは大評判で、今ではマツダスタジアムで常時販売することが決定するまでになりました。町の支援や地域でのナマズ養殖も始まり、プロジェクトの輪は大きく広がっています。私たちはこれからも、この町が豊かで住みやすい町であり続けるよう頑張っていきます。

広島県立西条農業高等学校 田邉 佑季 さん

私の故郷を何とかしたい!

広島県立西条農業高等学校 田邉 佑季 さん

自然に囲まれて育った私には、一つの夢があります。それは地元で就農し活躍することです。私がその夢を抱いた中学生の頃、一つの衝撃的な事実を知りました。それは高齢化、過疎化で、将来この町がなくなるかもしれないということです。自分の町がなくなるなんて、今まで考えたこともありませんでした。その時私は、この町を、自分が育った故郷をなくしてはいけないと強く思いました。
私の住んでいる地域は、農家11 軒が集まり農事組合法人を立ち上げ、耕作放棄地をピオーネ栽培と水田として管理しています。私は、父や組合長さんから消費者のニーズに合う高品質なぶどうを作り、販売先を広げるという目標を聞かされ、「自分も何か地域の人たちの力になりたい、もっと多くの人に食べてもらいたい」と思うようになり、西条農業高校に入学しました。今は広島県教育委員会が主催する「未来研究セミナー」に参加しています。
将来私は、「神石高原ぶどう」ここにあり、というようなピオーネ栽培に取り組み、私を支えてくれた故郷に恩返しがしたいと思っています。

広島県立庄原実業高等学校 重田 瑞希 さん

カブトエビ農法で「しわい」を解決

広島県立庄原実業高等学校 重田 瑞希 さん

わが家は水稲専業農家です。毎日早朝から夜遅くまで働く家族ですが、最近は祖父母から「しわいわぁ」という言葉をよく耳にします。農作業は若者でも辛く、高齢者の体には負担が大きすぎるのです。しかし所得はかなり厳しいのが現状です。それでも祖父母や父は農業を辞めようとはしません。三人の思いは、自国で生産したものを安心して食べることのできる、広い意味での「地産地消」です。私はこの様な家族の大変さややり甲斐を知り、地域の田んぼを家族と共に守るという将来の道を決めました。
そのため現在、和歌山県の「ノリノリファーム」の高橋さんの協力で、カブトエビの増殖プロジェクトを始めています。わが家では、除草剤や乗用除草機で除草を行いますが、これをカブトエビで行えば、年間の経費が大幅に削減されると同時に「食の安全」や「付加価値」を加えることができます。
私は、祖父母や父よりも「ワンステップ上の何でも屋」をめざして頑張ります。それが、少しでも多くの「安全な食料生産」と「地産地消」に貢献できると確信するからです。

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