広島県内農業ニュース
【広島市】学生のアイデア活かし「広島菜」の新たな魅力を発信
JA広島市の特産で広島の伝統野菜である「広島菜」のさらなる認知度を向上させるための取り組みを始めた。同JA広島菜漬センターと広島市安佐北区の広島文教大学の学生13人が共同で「広島菜漬」をベースに新商品を開発する。11月に開催する農業祭でのお披露目を目指し、県内をはじめ県外の消費者に向けて「広島菜」の魅力を発信していく。
この取り組みは、同JAの落合・深川支店の森田直生支店長が、JA管内の農産物を使って地域活性につなげたいと考え、支店管内にある公益財団法人広島市農林水産振興センターへ相談したことから始まった。同センターから学生との商品開発の提案を受け、同JAの代表的な特産「広島菜」を使って新たな商品開発を行うことに決めた。
13日に、森田支店長と同JA広島菜漬センターの藤本康隆総合所長が同大学を訪れ、第1回目の学生との打ち合わせを行った。同センターの品質管理を行う株式会社エムテイシイの松田忍代表取締役も味付けに関するアドバイザーとして参加。初回の打ち合わせには人間科学部人間栄養学科1年生3人が参加し、「浅漬け」をはじめシソやショウガ風味の「本漬け」など数種類の「広島菜漬」を試食した。学生からは、海苔の佃煮風やカキ醤油、はちみつ、レモン・ユズなどの柑橘など味の組み合わせのほか、「海外の方にも買ってもらえるものがいい」など販路拡大に向けたさまざまな意見が出た。
同学科の山口大貴講師は「商品開発に携わりたいと希望する学生は多い。こうした取り組みは、学生の社交性やコミュニケーション能力向上を培うにあたって大変貴重な機会となる」と話す。以前から商品開発に興味を持っていた池田つばきさん(18)は「長い間愛される商品や意外な組み合わせでみんなが驚くような味も作ってみたい」と意欲的に話した。森田支店長は「学生の柔軟な発想でいろいろなアイデアを出してもらいたい」と話し、藤本総合所長は「県外にも広めていけるような商品になれば」とそれぞれ期待を寄せる。
今後、学生らから出たアイデアを集約し、サンプルを作り協議を重ねていく。パッケージにつても学生の意見を反映させる予定。