広島県内農業ニュース

【南部】ジューシーなイエローレモン鮮度そのままに 貯蔵レモンに引き合い強まる

2024.05.21
県内農業

 出荷が出荷が本格化する県産貯蔵レモンの引き合いが強まっている。県内カンキツ産地がレモンの出荷期間を延ばそうとする取り組みで、「広島レモン」年間供給体制の一環だ。

 1~3月の旬のイエローレモンを鮮度保持フィルムで個包装し、約4カ月間冷蔵貯蔵した後、通常の露地物が終わってから出荷を始める。気温が高まる初夏から夏にかけてはレモンの需要が高まる半面、国産レモンの端境期になるため貯蔵レモンは全国的に引き合いが強まっている。地産地消や国産にこだわる店舗では必須の商材となっている他、飲食店やホテルでも地元産のこだわり食材として採用されている。

 メーンの出荷先となる広島市中央卸売市場では荷受や仲卸が冷蔵庫で保管しながら末端の注文に対応しており、常に供給不足の状態になっている。JA広島果実連の藤田裕司課長補佐は「安全性が高くジューシーで美味しいレモンは商品価値が高く、様々な場面で活用されている。品質の高さと産地関係者の努力をアピールしながら販売を盛り上げたい」と話す。

 県内JAではロスを抑制する貯蔵技術の研鑽と合わせて、新たな選果設備を導入したり、貯蔵を外部に委託する等して今後の増産に備えている。6月下旬頃まで販売され県全体で60㌧の出荷を計画している。