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【ひろしま・三次】利用者のやりたいを実現へ 医師会と連携で定期的な機能訓練実施
JAひろしま三次地域は地域の高齢者福祉サービスを拡充するため、2021年一般社団法人三次地区医師会と連携協定を結び、医療と介護のお互いの強みを生かしながら二人三脚で利用者の願望を叶える。三次デイサービスセンターやすらぎ館(通所介護施設)では、同医師会の介護老人保健施設あさぎりから理学療法士や言語聴覚士を招き、利用者一人一人が抱える悩みや課題の解決に向けた個別機能訓練を行いながら、利用者に寄り添う。さらに言語聴覚士によるトレーニングでは誤嚥防止や滑舌改善などの訓練も実施。利用者は身体機能訓練だけでなく、一人一人の利用者に一層向き合うため、会話などのコミュニケーションが深まり精神的なケアにも繋がっている。
やすらぎ館では約40人の利用者が曜日別に通所しており、月に一度は全利用者が同医師会の理学療法士や言語聴覚士による機能訓練を個別で直接受けることができる。理学療法士や言語聴覚士が計画したプログラムをやすらぎ館職員が毎日実施する。日常生活に欠かせない生活行為である「自分でトイレにいく」「一人でお風呂に入る」「買い物に行く」「ドライブしたい」など約50項目の興味・関心チェックシートを作成し、現状から願望までを把握。歩行訓練や足腰を鍛えるトレーニングマシンを使った訓練など、利用者に応じて進める。進捗状況も合わせて記録しながら評価し、プログラムを調整していく仕組みだ。これまでには医師から歩行は困難であると診断されたが、数十㍍の歩行を実現した利用者や、一人で入浴できるようになった利用者など、トレーニングを継続し、目標を達成している。
3月中旬には6人の利用者が足踏みや起立運動など機能訓練を受けた。機能訓練を受けた山﨑ミサコさん(95)は「家でじっとテレビを観るより、元気に身体を動かせるのでいつも楽しみ」と笑顔で話した。同医師会あさぎりの訪問リハビリテーション主任兼理学療法士の河原田祐実さんは「利用者の皆さん一人一人が機能訓練を通して、生活改善や願望を実現できるよう引き続きサポートしていきたい」と意気込む。やすらぎ館の赤岡真弓さんは「少しでも利用者の皆さんのやりたいが叶えられるよう、連携して取り組みを進めていきたい」と強調する。