広島県内農業ニュース

【広島市】昨年に引き続き 資材高騰に伴い生産者を支援

2023.11.08
県内農業

 JA広島市は、生産資材等の価格高騰に伴う支援を昨年度に引き続き行う。肥料、農薬、出荷用袋・段ボール箱、飼料について、対象期間の購入額に応じて助成金を支給する。2023年4月1日から24年3月末までの購入に対し、概算で総額6800万円の支援を見込む。
 国内原料を使用して製造する2023年度の秋肥料価格については、多くの商品が値上げとなっている。農薬や出荷用袋、出荷用段ボール箱などの生産資材や飼料については、昨年度以降、価格の高止まりが続いている一方で、農畜産物の販売価格への転嫁は期待できない状況である。昨年の同支援策に対しては、4659件の対象者へ約5000万円の支援を行った。
 対象は、個人・法人の組合員。助成額は、肥料、農薬、出荷用袋、出荷用段ボール箱は購入額(税込)の9%、飼料は同2%で、組合員1人(1法人)当たりの支援金合計額の上限は100万円。
 祇園町農事研究会パセリ部会の木下登会長は「こうした支援策を活用するとともに、使用する肥料などを工夫しながら今後も農業経営を続けていきたい」と話した。
 同JAは、第7次営農振興計画で「農業者の所得増大に向けた取組強化」を重点取組事項に掲げ、生産コスト低減や労力軽減の支援に取り組む。同JAの吉川清二代表理事組合長は「組合員の営農は非常に厳しい状況にあるが、生産者の皆さんが安心して農業が続けられるよう、今後もJAとしてできる限りの支援をしていきたい」と支援策への思いを話した。