広島県内農業ニュース

【JA呉】見える化で所得向上を こだわりいしじ出荷部会

2022.08.02
県内農業

 JA呉管内のこだわりいしじ出荷部会は、土壌用水分計測器(テンションメーター)を積極的に導入し、園地管理を徹底している。高品質果実生産には不可欠な土壌の水分ストレス状態を数値により見える化し、適期管理することで合格率を高め、数量増と所得増を目指す。

 7月22日には、JA広島果実連の小川哲也技師が呉市の同部会の村本多喜夫さんの園地で計測器を設置し、管理方法を指導した。これまでは実際に土を触ってみた感覚で潅水やシートマルチの開閉といった作業を判断。部会員の経験や園地条件による合格率や階級比率の差が問題となっていた。

 小川技師は「数字と実際の触ってみた肌感覚を比較・経験することで、部会全体がレベルアップできると思う。糖度12度以上で中心階級はM級に仕上げるという2つの高いハードルをクリアするため、導入した計測器を最大限有効活用していきたい」と指導に熱が入る。

 村本さんは「水分計測器の導入はとてもありがたい。経験と新しい技術を駆使しながら諸先輩方が培ってきたブランドを守っていけるよう、しっかりと管理し、消費者に喜んでもらいたい」と意気込む。

 「こだわりいしじ」は同JA管轄くれ選果場のPB商品。同市倉橋町が発祥の「いしじ温州」を梅雨明け後にシートマルチの全面被覆を行い管理。11月上旬の樹別調査で糖度12度以上となった樹から収穫した果実のみを「こだわりいしじ」として出荷している。