広島県内農業ニュース

良質な柿「富有」を出荷/蔵王果樹園芸組合柿部会

2013.11.26
県内農業

 福山市の蔵王果樹園芸組合柿部会は、JA福山市蔵王共同選果場を拠点に柿「富有」の出荷を続けている。同市蔵王町は昔から良質の柿の産地で知られ、40年前のピークには約50戸の生産者が出荷。現在は70代を中心に5戸が伝統の産地を守っている。今年は夏の生長期に高温が続いたため、着色と玉太りが遅れた。同部会では、この影響を最小限に抑えようと、圃場(ほじょう)と水管理を徹底。この努力が実を結び、生産量は平年より少ないものの、糖度が抜群に高く良質に仕上がっている。

 生産者は、収穫した柿の傷や色をチェックして2等級に分け、重さを量って5階級に選別。5㌔と10㌔に箱詰めし、同選果場へ持ち込んでいる。選果場では品質を慎重に検査し、栽培履歴の確認できる「ふくやまSUN」のシールを箱に張り、地元福山市場へ送り出す。同部会は、収穫が続く12月上旬まで出荷を週3回行ない、平年並みの7㌧を目指している。

 羽原賢志組合長(69)は「産地は小さいが、みんなで愛情込めて育てている。蔵王の柿は味がよく、甘い。一人でも多くの人に、自慢の柿を味わってもらいたい」と出来に自信を見せている。

(福山市)