広島県内農業ニュース
【JA広島北部】田畑を荒らす害獣を地域資源に 地域活性化に貢献
2022.04.05
県内農業
安芸高田市ジビエ振興協議会は3月29日、JA広島北部が運営する産直市「ベジパーク安芸高田」で鹿肉入りのジビエカレーの試食を来店者に無料で配布した。安芸高田市では、猪や鹿による農作物の被害が増加。同協議会は同市の有害鳥獣捕獲班と連携し、捕獲後に地域資源としての有効活用に取り組んでいる。2021年度は、675頭(猪64頭、鹿611頭)を処理した。
試食では、煮込むことでほろほろと柔らかい食感が特徴の鹿のバラ肉を使用。鹿肉は他の食肉と比べて脂肪が少なく、高タンパクと鉄分が豊富なことを来店者にPR。獣肉独特の臭みがなく美味しいと好評だった。
同協議会は、ブロック肉などに加工したジビエ肉を同産直市の他、「八千代産直市場」でも販売。18年の首都圏での販売をきっかけに「Premium DEER 安芸高田鹿」としてブランド化し、首都圏の他、県内の飲食店へ販路を広げている。猪や鹿の食肉への加工は、狩猟時を含め、肉の処理過程に高い技術が必要となる。同協議会では、衛生管理を徹底した上で捕獲から1時間以内に加工施設へ搬入。適切な処理をすることで臭みのない高品質なジビエ肉を製造している。
古門正文さん(70)と保村晃さん(45)は「鹿肉はヘルシーでとても美味しいが、まだその魅力を知らない人も多い。皆にもっと知ってもらいたい」と力を込めた。