広島県内農業ニュース

昔ながらのワラの保存方法/庄原市でわらぐろ作り

2013.11.05
県内農業

 庄原市尾引町の近藤丈登さん(72)は、稲刈り後の田んぼで昔ながらのワラの保存方法「わらぐろ」作りに取り組んでいる。

 作り方は、刈った後のワラを束にして立て約1週間乾燥させ、田んぼに「はであし」と呼ばれる支柱を立て、支柱を中心にして周りにワラを積み重ねて置いていく。2㍍近くの高さになるまで積み上げ、遠くから眺めると家のような形に見えるのが特徴的だ。

 作るときのコツは、ワラをよく乾燥させること。近藤さんは和牛を飼育しており、「わらぐろ」で保存したワラを、エサや牛舎の敷きわらとして利用する。毎年60個近く作り、3月下旬まで田んぼに点々と並ぶ。和牛頭数の減少とともに、作る人も少なくなったため、今では珍しくなった風景を写真におさめる人も多い。

 近藤さんは「乾燥させたワラは牛の健康にも良い。良い牛に育てるためにもしっかり食べさせたい」とわらぐろ作りに励む。

(庄原)