広島県内農業ニュース

【JA庄原】アジアGAP認証 梨「二十世紀」香港へ出荷

2021.08.31
県内農業

 梨とブドウでアジア版農業生産工程管理(アジアGAP)を取得する広島県立庄原実業高校は24日、香港に輸出する梨「二十世紀」100㌔を出荷した。冷蔵コンテナで海上輸送され、9月3日から現地スーパーで販売される予定。県によると高校生がGAPなどの国際規格を取得した農産物を輸出するのは全国でも珍しく、県内では初めて。
 梨は、生物生産学科の果樹園芸研究室の3年生5人が栽培。昨年度、経済産業省「未来の教室」実証事業で、認証を生かした販売戦略を検討しており、輸出による農家の所得向上や地域活性化などの可能性をテーマに、流通やマーケティングなどの学習を進める。
 輸出は、海外への果実販売に精通するJA広島果実連とJA庄原が協力。収穫までの作業などの映像や商品企画書を作成し商談した。出荷箱や香港用の店内広告なども作った。 広島果実連の下岡正販売部長は「生徒の熱意を感じた。今後も県産果実に興味を持ち、一次産業を支えてほしい」と期待する。
 収穫した梨は、重量と糖度で選別。国内より青く美しい梨が好まれることから、色沢や形などを厳しく確認して箱詰めした。是田和希さん(17)は「選果基準が厳しく大変。現地消費者の評価などを確かめたい」と話した。
 同校では、2018年にアジアGAP、20年に県の「安心!広島ブランド」特別栽培農産物の認証を取得。環境に配慮した持続可能な農業生産を実践する。