ＪＡ広島中央は水稲直播栽培の確立に向け、ドローン（小型無人飛行機）を使った実証実験を始めた。稲の生育状況や収量、コスト低減効果を調べ、普及可能な技術を検証する。

５月上旬には、東広島市西条町の水田２０㌃に「あきさかり」の種子８㌔を、農薬散布用ドローンで播種した。種もみが適度に広がるように、ドローンの噴出部にカバーを装着。ドローンの粒剤用タンクに種もみを入れ、ＪＡ職員が操縦し、水稲直播専用機では１時間かかる作業を１５分の飛行で済ませた。

ＪＡは、２０１７年に農薬散布用ドローンを導入し、集落営農法人などに貸し出している。水田に入らなくても作業ができる手段の一つとして２０１８年からドローンでの直播栽培試験を実施している。

これまでの実証を踏まえ、湛水で播種。水田の外周の溝を切ることで、発芽時の落水が速やかにできるようにした。鉄コーティングした種子に、今年新たに、殺虫剤と殺菌剤もコーティングし、播種後の薬剤散布の作業を軽減。播種後は、ドローンで除草剤も散布した。

ＪＡ営農販売課の西田聡課長は「労力をどこまで軽減できるか実証し、薬剤効果も確認しながら技術を改善していきたい」と話す。

（広島中央）