広島県内農業ニュース
直売所を核に生産拡大/JA広島中央
2019.06.25
県内農業
JA広島中央は、5月下旬に開設したJA全農ひろしまとの共同運営の直売所「とれたて元気市となりの農家店」を活用した生産拡大に取り組んでいる。栽培用ハウスの設置助成制度の導入の他、2019年度は買い取り制度の導入や集荷拠点を増し、さらなる生産拡大で直売所を核とした農業者所得の増大を図る。
店舗開設にあたり、JA広島中央はJA運営の直売所「となりの農家」西条店を移転。新店舗は旧店舗に比べて売り場面積を約5倍の803平方㍍に拡張し、県内JAの農産物を取り扱う。1日の来店者数の平均は、旧店舗の3倍の1100人に増加。同JA管内の生産者が出荷する野菜の1週間の売上高も7割増の約240万円に伸びている。
JAは、地元産の品揃えを充実させようと、組合員に出荷を呼び掛けてきた。露地生産が多い管内で、通年出荷や促成型・抑制型の生産体制を整えようと、2018年にはハウス設置の半額助成制度を導入。組合員が対象で、1人1棟まで、本体と施工にかかる費用の半額を上限19万円で助成する。2018年度は14棟を設置した。2月に172平方㍍のハウスを設置した長松茂さん(49)は、新設したハウスでネギやレタスを栽培する。長松さんは「台風の被害に悩まされてきたが、JAの助成でハウスを増設することができた。旧店舗に比べて2倍ほど売れ行きが良くなったので、通年で多く出荷できるようにしたい」と話す。
2019年度は、ハウスを設置した生産者に対し、事前に選定して栽培した品目を買い取る制度を導入する。10カ所ある出荷拠点を15カ所に増やし、生産者の利便性を向上する。
営農販売部の藤井一浩部長は「組合員が生産を増やせる体制を整え、生産者の所得向上につなげたい」と話す。
(広島中央)