広島県内農業ニュース

排水性改善に期待 パラソイラー 農機レンタル開始

2018.05.08
県内農業

OLYMPUS DIGITAL CAMERA JA全農ひろしまは、県内の園芸振興を目的とした農業機械のレンタル事業を行っている。2018年度より、圃場の排水性を改善したいとの生産者の要望に応えて、トラクタと土づくり専用の作業機をセットにしたレンタル農機「パラソイラー」を加えた。

 パラソイラーは、4本の「く」の字型のナイフで作土層を反転させずに耕盤を破砕し、土壌全体を膨軟化することで排水性を高める効果が期待できる。17年に東広島市の白ネギ圃場において試験的に作業を行った結果、土壌の三相構造が改善し、収量・太物率向上などの効果があったため、県内の生産者に広く普及するため導入を決めた。

 三原市高坂町でブドウ農園を営む久和田一夫さん(47)は、初めてパラソイラーをレンタルした。地主の要望を受けて2年前から休耕田16㌃で白ネギ栽培を開始。土づくりの際に重機を入れたことで下層の土が固くなり、昨年度は湿害が発生した。今年度は作付面積を40㌃に拡大することから、レンタルした。当日は、約2時間で40㌃の圃場の作業を終えた。

 JA三原三原西営農配送センターの永森昌宏係長は「昨年度の試験結果と、レンタル機であるため大型トラクタも費用を抑えて使用できることから、圃場への導入を提案した。今後の生育状況を期待したい」と力を込めた。

 全農ひろしま園芸課の竹林茂幸担当は「広島県は水田転換畑が多く排水対策が大きな課題となっているため、パラソイラーのレンタル普及により生産振興につなげたい」と意気込む。農機レンタルはJAを通じて随時予約を受け付けている。(全農)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA