広島県内農業ニュース

世羅高原で農家民泊/古民家利用し地域の活性化

2013.09.10
県内農業

世羅町やJA尾道市などでつくる世羅高原6次産業推進協議会の呼び掛けで、町内の2戸の農家が5月から農家民泊をスタートした。

 同町赤屋地区の永田英則さん(72)は、中国5県で4番目に空き家率の高い世羅町で古民家を活用し町の活性化につなげたいと知人から古民家を借り、旅館営業許可されるよう修繕して営業を始めた。永田さんは、昨年から同協議会が主催する研修会に積極的に参加し構想を練った。農家民泊の発祥の地、大分県安心院町へも視察に行くなど、先進地のもてなしのノウハウを取り入れるなどして準備を進め、今年4月に営業の許可を受けた。食事を担当する妻の豊子さん(70)は、自家製の野菜や地域の産物にこだわった食材を調理し世羅町の特色を出している。5月の営業開始から9月まで、県外を中心に約10組が宿泊し、農業体験や郷土料理など田舎暮らしを楽しんでいる。

永田さんは「今後は畑のオーナー制度の導入や観光農園との連携を強めて、魅力ある民泊づくりを目指したい」と意気込みを示した。

 同協議会は世羅町の豊かで美しい自然や農業を積極的に観光資源として取り入れている。農村を求める観光客が農家民泊を利用することで町内への滞在期間を延ばし地域の活性につなげようというもの。農家向けに民泊開設マニュアルを作り、宿泊先を増やすよう取り組んでいる。

 現在、同町内には永田さんの「田舎の宿」の他に、東上原地区の橋川正治さんの「髙光」の2軒が営業を始めている。1泊2食付きで5000円から7000円。農産物の植え付けや収穫、餅づくりなど田舎暮らしを感じられる体験を盛り込んでいる。

(おのみち)