広島県内農業ニュース
歴史の長い酒米産地、比和町/記念碑建立し「広島の酒」の発展を
2017.01.10
県内農業
庄原市比和町は、明治時代から酒米生産に取り組む伝統ある産地だ。生産を担う比和酒米生産組合は、93戸の農家が約70haで「八反錦1号」と「八反35号」を栽培している。周囲は吾妻山をはじめとする比婆山連邦に囲まれ標高が500m以上に位置し、比和川の清流や肥沃な土質、酒米が熟す夏場は昼夜の気温差が大きいなど自然条件が栽培に適しているなかで、生産に取り組んでいる。
組合の生産量の7割は、1984年に育成された広島県の奨励品種「八反錦1号」が占める。品種改良には初代の組合長を務めた倉岡侃(くらおか・つよし)さんが試験圃場を提供し、県内の酒米生産振興にも寄与してきた。現在もJA庄原やJA全農ひろしまなどの関係機関とともに、良質な酒米生産に力を入れている。
歴史の長い酒米産地として多くの方に広島の酒に親しんでもらおうと、町内に記念碑を建立した。12月には生産者や関係者約40人が参加して除幕式を開いた。記念碑には「広島の酒で乾杯!八反錦の里比和」の文字と、「八反錦一号の由来」が刻まれている。長年生産に取り組んだ功績を称え、倉岡さんには感謝状が贈られた。岩山泰憲組合長は「高品質での均一化を心がけて生産している。これからも酒米産地としての自覚と誇りを持ち生産に取り組みたい」と述べた。
(庄原)