広島県内農業ニュース
学校給食に地元産米供給開始/JA三原
2016.12.06
県内農業
三原市久井町の農業生産法人とJA三原は、同市の米飯給食に使用されるコメについて2016年産米から「特別栽培米」の生産に取り組み、より安全で安心な地元産米の供給を開始した。
「特別栽培米」とは、農林水産省が定めた「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に沿って生産された、化学合成農薬および化学肥料の窒素成分を慣行レベルの5割以上削減して生産したコメのことで、同町内の法人連携組織「アグリチーム久井」の5法人が、統一基準に基づき学校給食用途向けに約13ヘクタール、67.4トンを生産した。
同市では3箇所の共同調理場と2箇所の単独調理場で給食調理を行っているが、このうち2箇所の共同調理場で年間を通して使用される。これまでも米飯給食では地元産のコメが使用されていたものの銘柄指定はなく、一般的な出荷米から納入されていた。
法人と同JAは作付け前から三原市と協議を重ね、安全で安心な地場産物を安定的に活用するため、また結びついた取り組みによる生産意欲の向上のため、予め栽培基準や使用銘柄をとりきめ生産から使用までを一体的に取り組むこととした。
銘柄は、ほどよい粘りとふっくらした食感が特徴的な「あきさかり」。生産されたコメは同JAで農産物検査を実施、通年保管され精米業者、炊飯業者を経由し米飯として納入される。
同JAは、「学校給食における地場産物の活用は郷土への関心を高めるなど、教育的意義も大きい。今後も継続的に取り組み、生産者メリットが向上する仕組みを追及したい」としている。
(三原)