広島県内農業ニュース

2016年度広島県食育推進功労者表彰

2016.10.25
県内農業

 JA尾道市女性部向東支部と志和堀自然体験学習協力会は、広島県の食育の推進に貢献したとして広島県食育推進功労者表彰を受けた。19日に行われた表彰式では、湯﨑英彦広島県知事より表彰状が授与された。

 広島・食育推進功労者表彰①農林水産業分野で表彰されたJA尾道市女性部向東支部は、向東小学校の4、5年生を対象に、地元の食材を使ったお菓子作りや郷土料理の伝承活動に取り組んできた。同女性部では30年にわたり郷土料理の伝承活動を続けており、向東小学校での取り組みも10年の節目を迎え、表彰に繋がった。食材は地産地消にもこだわり、野菜のほとんどは同支部のメンバーの自宅で作るほど、地元へのこだわりが強い。向島町は町外から嫁いでくる女性も多く、これからも郷土料理の伝承活動に力を入れていく。

 志和堀自然体験学習協力会は、15年間にわたり地域の特色ある農業と食文化を地域の子供たちに継承し続けている取り組みが評価され食生活等分野で表彰された。
(広島)

 広島中央・食育推進功労者表彰②東広島市志和町のボランティアグループ「自然体験学習協力会」は、体験学習を通じた食農教育を展開している。

 同協力会は2001年に地元に住む8人の会員で発足。地元の東広島市立志和堀小学校と連携し、農業を中心にした自然体験学習を始めた。それぞれの特技を生かし、自然豊かな地域を体験できる学習を企画。同校と志和堀保育所の子どもに、もち米作り、野菜作り、そば作り、竹炭作り、里山の自然観察などを実施してきた。

 現在では組織の高齢化も進み、70~80代になった会員10人が活動する。米作り体験では田植えや稲刈りを指導し、もちつき大会を開いている。地域の県道にサルビアのプランターを並べて地域の景観を維持する活動にも協力。過疎化で小学校の児童が減少する中、学校と一体になった活動で、子どもの健全育成と地域の維持活性化に寄与している。

 会長の竹内悦信さん(80)は「活動を続けてきたは、会員の健康維持や生きがいにもなっている。体験を通じて子どもたちには生きる力を身に付けてもらいたい。世代を超えた交流で社会性も高めてほしい」と話す。
(広島中央)