広島県内農業ニュース
アスパラガス生産拡大に力/改植試験の取り組み
2016.10.04
県内農業
JA庄原は園芸重点品目の一つであるアスパラガスの生産拡大に取り組んでいる。定植後10年以上経過した圃場では生産量の低下が見られるため、収量の維持、向上を目指す新たな試みとして2014年から改植試験を始めている。
改植試験は、JA庄原育苗施設のハウスで粉砕もみ殻と牛糞堆肥を混合した培地で栽培した1年生株を、既存株を掘り起こした圃場に定植するもの。現在は露地2か所、ハウス1棟を展示圃とし、定期的に生育調査をしている。改植株は既存株に比べて病気への耐性が強く見られたり、アレロパシー(植物自身が作り放出する化学物質が、他の植物の成長を阻害したり反対に促進させたりする効果のこと)の影響が少なく順調な生育を見せており、生産者の関心も高い。
JA庄原アスパラガス連絡協議会は9月上旬、昨年12月に改植を行った口和町の長里英喜さんのハウスで、現地研修会を行った。参加した約30人の生産者は、JA職員から作業の手順や栽培状況の説明を受け、圃場を興味深く見学。長里さんは「既存の株を取り除く作業が大変だったが、活着後は生育も良く今後の収量に期待が持てる。改植の取り組みを通して、アスパラガス産地として地域を盛り上げたい」と意気込む。JAの担当者は「改植試験はアスパラガスを地域の特産として再構築するための取り組みの一つで、今後も調査を継続し栽培技術の検証を行いたい」と力を込める。
(庄原)