広島県内農業ニュース
独自のエンディングノートを販売
2016.02.02
県内農業
JA広島中央は、独自のエンディングノート「終焉(しゅうえん)の時を想う」を作り、1月から販売を始めた。主に組合員や地域の利用者を対象としているため、農地や作付けなどの農業に関わるページと預貯金や共済・保険などのページを充実させた。地域に密着したJAが総合事業の強みを生かし、組合員や地域住民が豊かに暮らせる地域社会の実現を図る。
万が一に備えて、自分の希望や家族に伝えたいことを書き込むことで、これまでを振り返り、今後の人生に生かすことができる。
ノートには、自己紹介、病気、介護、葬儀、埋葬、遺言、財産、農業、家族や知人の連絡先、残された人へのメッセージが記入できる。農業のページは年間の作付け状況や品目別の生産状況、販売記録、農地台帳、農機具、伝えたい技など詳しく記入できる。
製作したのは、JA金融部の相続支援室。同室は、2014年度に設け、相続発生前の相談や葬儀後の相続手続きの窓口となり遺族のサポートをしている。14年度の1年間の相談件数は43件で、15年度は4~12月末の9カ月間で28件と、組合員や利用者の相続に対する不安や疑問は年々高まっている。中でも最も多い相談が、遺産分割だという。相続時のもめごとを減らし、手続きをスムーズにするため、遺言をすすめている。担当職員は「エンディングノートに法的効力はないが、自身の思いや要望を家族などに確実に伝えるため活用してほしい」と話す。中原啓吾室長は「今後は各地で終活セミナーを開き、普及に努めたい」と意気込む。
「終焉の時を想う」は1冊500円(税込)、JAの各支店窓口で販売している。問い合わせはJA相続支援室(電)082(422)2173。
(広島中央)