広島県内農業ニュース
干し柿用の県産西条「冠付き」が出番
2015.10.20
県内農業
秋の季節商材として人気の干し柿用「西条柿」の出荷が始まった。三原市、福山市から出荷される特産で、干す際に紐に吊るす枝を付けて出荷するため通称「冠付(かんつき)」と呼ばれている。広島市中央卸売市場ではドライアイスなどで脱渋して出荷される通常の「西条柿」と同等以上となる1㌔300円で取り引きされる定番だ。一方、果実に枝を残すため、次年度の果実を成らせる結果母枝ごと収穫することから樹勢が低下したり、翌年の収穫量が減少するデメリットもある。
販売するJA広島果実連の牧本祐一部長は「古くから県内に伝わる保存食で、果汁が濃縮して羊羹のような濃い甘味になることに加えて栄養価も高い。作り方をPOPなどにしてアピールし農家の再生産価格を守りたい」と話す。同連と提携する生協ひろしまの長神耕太郎バイヤーは「各家庭で楽しめるよう小袋に小分けして販売している。愛用者も多く、良い形で風習が受け継がれている」と話す。10月末まで出荷される。
(南部)
トメ