広島県内農業ニュース
多収品種「あきさかり」を導入 契約米の生産拡大で稲作農家の所得安定を目指す
2015.02.10
県内農業
JA広島北部は、2015年産米から管内全地域で、「コシヒカリ」から多収品種「あきさかり」への作付け誘導を進める。「あきさかり」は、業務用(中食・外食)の契約米として全量集荷し販売する。業務用の契約米は、14年産米の370㌧から500㌧の販売を目指す。JAは、米価低迷の中、多収品種の導入と契約米の生産拡大に取り組むことで、農家所得の安定を図る考えだ。
温暖化による高温登熟障害により、乳白粒が増加し、コシヒカリの品質が低下していることを受けJAは、代替えとして「あきさかり」にした。「あきかり」は、「コシヒカリ」と比べて高温での品質劣化が少なく、地面から穂首までが約20㌢と低いため、倒伏しにくいのが特徴。家庭で消費される主食用米の消費が減少し、米価が下落する中で今後は、消費拡大が期待される業務用(中食・外食)への販売を強化する。
2日~6日の5日間、各支店6会場であきさかり栽培説明会を開き、水稲の生産者約100人が参加した。JA営農部の松田浩幸営農指導員は「あきさかり」の栽培について、堆肥をしっかり入れ土づくりをして、1平方㍍当たり420から450本の茎数を確保すれば、10㌃当たり600㌔以上の収量が見込める品種と説明。「コシヒカリの品質低下や倒伏に悩む水田へあきさかりを導入してほしい」と呼び掛けた。
管内では、2年前から農事組合法人や大型農家が「あきさかり」を導入し栽培する。14年産は作付け面積90㌧で約410㌧を販売。15年産は作付け面積125㌶の集荷量750㌧を目指す。
(広島北部)