広島県内農業ニュース

土壌診断で適正な土づくりを

2015.01.27
県内農業

  JA広島北部は、生産者へ土壌診断を通じて施肥改善を提案し、過剰施肥を抑制することで生産コストの低減に取り組む。

 農作物を正常に生育させるためには、土壌中の養分状態を農作物の要求する量に調節するとともに、他の成分とのバランスを取ることが大切だ。土壌診断をすることで、土壌の不足する養分と過剰な養分を知ることができる。診断結果に基づいた適正な施肥をすれば、収量の安定や施肥コストも抑制できる。

 JAアスパラガスグループは15日、土壌診断の分析結果を踏まえて、適正な土づくりをし、次年度の収量アップにつなげようと研修を開いた。生産者は、畑の土壌の養分状態や診断結果に基づく施肥設計を確認。

 メンバーの畑は約6割が酸性で、EC(電気伝導度)が高い状態だ。この数値が高いと、肥料が吸収されにくく、根を傷めて養水分を吸収できなくなり、生育不良となる。

 JA営農指導員は「各圃場の状態を確認し、適正な土づくりをすることで収量アップにつながる」と指導した。JAは、今年からアスパラガス用に開発された基肥一発型の肥料を供給する。JA西日本肥料研究所の職員は「夏芽以降は肥料の施用量で芽が出る。堆肥をしっかり施用すること、また、一発肥料を使うことで、夏場の樹勢維持と労力軽減にもなる」と提案した。

 同グループは、生産者48戸で6ヘクタール栽培する。2015年度は、出荷量50トン、販売高4650万円を目標に、土壌診断を活用した適正な施肥を定期的に行い、栽培に取り組む。
(広島北部)