広島県内農業ニュース

地域農業の振興と活性化に貢献/宇山そば処 さわやか茶屋

2014.11.04
県内農業

 東広島市河内町の宇山そば処「さわやか茶屋」が、開店15周年を迎えた。人口300人足らずの山間の地区だが、県内各地から訪れる来店者は累計20万人を超え、都市と農村の交流の場となっている。


 ソバは、農事組合法人「うやま」が栽培している「宇山三号」を使用。宇山で15㌶作付けしている「宇山三号」は、同地区の在来品種から選抜育種した品種で実が小さく、その中に旨味が凝縮されていて香りが強いのが特徴。開店当初のスタッフが北広島町豊平でそば打ちを習い、その技を世代交代した現在のスタッフが受け継いでいる。現在は、地元の女性を中心に9人が運営する。男性が製粉し、女性がそばを手打ちする。「挽きたて・打ちたて・茹でたて」の「3たて」にこだわり、石臼で挽いて製粉し、手際よく打ったソバを注文の後茹でている。人気メニュー「宇山そば」は、地元産の塩漬けしたワラビと野菜のかき揚げを乗せた温かいそば。少し太めの麺は歯応えと喉越しが良く、化学調味料を使っていない秘伝のそばつゆはあっさりしている。


 宇山はもともと、ソバ栽培が盛んな地域だった。1994年に減反政策の転作作物として本格的にソバの生産を拡大し、産地化に乗り出した。そして1999年、ソバの6次産業として廃校になった宇山小学校の校舎を利用し「さわやか茶屋」を開店した。学校の教室を店舗としてそのまま使い、テーブルや椅子は学校で使われていたものを使用しているので懐かしく、親しみやすい店舗になっている。


 「さわやか茶屋」の館内では、ソバ打ち体験教室も開き、家族連れやグループなどが訪れ、年齢を問わず手作り体験ができる場として人気を集めている。乾麺のソバも製造しており、同店やJA広島中央の産直市「となりの農家」でも販売している。
「さわやか茶屋」代表の児玉みそのさん(56)は「いつまでも皆さんに愛されるそば処であるよう、そして地域活性化の発展にも貢献できるよう日々努力していきたい」と意欲を示した。
(広島中央)