広島県内農業ニュース

相続や資産の相談機能を強化

2014.09.30
県内農業

 JA広島中央は、組合員、利用者が相続や資産の管理を安心して相談できる金融機関を目指し、相続資産の支援強化に取り組んでいる。2014年度、金融部に相続支援室を新たに設け、各支店と連携しながら相続支援の拡充を図っている。

 JA管内の組合員の高齢化に伴い、相続に対する不安や疑問が高まっている。また、相続による出資金や貯金、融資の流出がJAの重要な課題になっている。相続発生後の対応では流出に歯止めをかけることは難しく、生前から後継者を取り込んだ資産管理を支援していくことで、次世代層にもJAを長く利用してもらう狙いだ。

 国家資格1級ファイナンシャルプランニング技能士とCFP資格を持つ経験豊富な職員を室長に配置したことで相続のみならず、組合員の多様なニーズに応えつつ、幅広いサポートを展開する構えだ。

 相続支援室は、利用者からの相談を受けると手続きをサポートする。相談者からは「地域に身近なJAが相談に乗ってくれると助かる。相談料が無料なのもうれしい」と評判だ。


 また、各支店で来店者に相続のアドバイスができるようにと、担当職員を配置し、その教育にも力を入れる。弁護士を講師に研修会を開き、担当者に銀行業務検定協会の相続アドバイザーの資格を取得するよう指導するなど、レベルアップを図っている。


 相続資産の流失防止対策として定期貯金「まごころ」を開発し、8月から販売している。後継者が相続で譲り受けた資産が対象の定期貯金で発売以来好評だ。

 このほど、相続対策セミナーを開き、管内から63人の組合員・利用者が参加した。相続税専門家の田中文貴税理士が相続税、贈与税の内容や2015年の税制改正、対策について説明。個別相談会では、3人の税理士が個々の疑問や悩みについてじっくり答えた。

 相続支援室中原啓吾室長は「相続の支援をしていくことで組合員が安心して暮らせる地域や社会づくりに貢献したい。セミナーも好評だったので定期的に開く」と意欲を見せる。
(広島中央)