広島県内農業ニュース
甘~いトマトの王様/キングトマトが最盛期
2014.03.11
県内農業
江田島市能美町中町地区の中町トマト生産組合が栽培するハウストマトが最盛期を迎えている。1990年に7戸の農家が生産組合を立ち上げた。現在4戸が「キングトマト」の名称で出荷し、こだわりの食材を求める飲食店の店主が広島市内や呉市内から定期的に買い付けに来る。
4年前に広島市から江田島市へUターンし、父親のハウスを継ぐ中田広幸さん(56)と妻の裕子さん(55)夫妻は「こまめに糖度を計り、自信をもって出荷している。キングトマトのおいしさを感じてもらうには生食が一番。新鮮なうちに味わってほしい」と話す。
9月に苗を定植し、12月末から6月末頃まで収穫が続く。茎を伸ばしながら実をつけるため、茎の高さは最終的に4㍍を超える。収穫と作業の省力化のため、延びた枝を横向きや下向きに誘引するなど工夫している。糖度10度以上のトマトを作るため、水と肥料の管理を徹底。水分を控えることで、比較的大玉の品種である「桃太郎」を直径約5㌢の大きさで完熟させる。水を控えすぎると樹の生育と玉太りが悪くなり、与えすぎると糖度が上がらない。土中の水分をトマトが吸収しないよう、深さ約30㌢の舟形の容器を土中に埋める土壌隔離栽培にも取り組む。この栽培方法をすることで施肥効率も良くなる。トマトの生育に必要な温度を確保するために、ハウス内の温度管理にも気を使っている。
生産組合の小倉一義組合長は「自然と植物が相手だから、毎年1年生みたいなもの。常に学習と研究を重ねている」と努力を語る。
(呉)