広島県内農業ニュース

イチゴ栽培に魅せられて情熱注ぐ

2014.02.25
県内農業

 福山市芦田町の野島悠志さん(31)は、祖父母の小野高義さん(89)・慶子さん(87)夫妻と共にイチゴ栽培に励む。7㌃のハウス3棟で「レッドパール」「とちおとめ」「やよいひめ」3品種、約4000本を育て、「将来は習得した技術で、実家のある同市神辺町にハウスを建て、他の産地に負けないイチゴの安定出荷を目指す」と意気込む。

 祖父母の小野さん夫妻のハウスでは、45年のイチゴ栽培を続ける中で作業効率のアップや負担軽減をするため、同地区で初めて導入したトタンを使った高床栽培に取り組んでいる。そんな中で野島さんは、子どもの頃からハウスが遊び場で、2007年から農繁期に祖父母が手掛けるイチゴ栽培を手伝うようになった。育てるうちに知識や技術を少しずつ習得し、イチゴ栽培をやってみたいと情熱を持つようになり、12年から本格的に始めた。

 収穫最盛期を迎えたこの時期は、毎日朝6時30分にハウスに入り、日の出とともに収穫作業、パック詰めを終えると契約スーパーに持ち込む。次年度に向けて親苗も育苗する。日照時間や栽培最低温度、花芽分化時期が品種により異なるため、細心の注意を払う。疑問や気づきは、祖父の高義さんに直接聞き、アドバイスを受け作業に臨む。

 野島さんが特に力を入れる品種は、酸味が少なく糖度が高い特徴を持つ「やよいひめ」。「この品種は、実に日光が当たらないと色付きが悪くなり、商品価値が落ちるので管理が重要」と話す。基肥栽培を基本としているが、効率化や差別化を図ることも考え、他の生産者が液肥栽培をしていると聞けば、直接訪ねることもあり、情報収集は欠かさない。「ここ2年間は忙しくて趣味のバイクツーリングに行っていない。一緒にイチゴを育ててくれるお嫁さんを探している」と、趣味も封印しイチゴ栽培に没頭する。

(ふくやま)