広島県内農業ニュース
【ひろしま】SAINO竹採物語 未活用資源の竹を活用 竹炭で校内ビオトープの水質改善へ
2025.03.11
県内農業
県立西条農業高校緑地土木科は人と自然の共存に向けて、里山未利用資源である竹の有効活用方法を模索する。校内の竹林を生徒自身が整備し、伐採した竹を竹炭に加工。校内ビオトープの水質改善効果を狙う。
同科は3年前から校内の竹林に着目。調査地の測量・整備をしながら活用法を検討し、地域の放置竹林問題の課題解決を考えた。2023年度から水質改善への利用を考え、竹粉と石で水質浄化装置を製作し、校内のビオトープへ設置した。
2024年度はさらなる水質改善を図るため、竹粉から竹炭へ加工を変更。無煙炭火器を使い、生徒自身が竹炭を作成した。竹炭の作成の際には、伐採した竹を約1㍍に切り分け、空気の膨張による爆発を防ぐために節間に切り込みを入れるなど工夫した。竹炭はビオトープの水質浄化装置の中に入れたほか、水の流れを考慮し装置とあわせて計4カ所に設置。約2か月間池の水質を測定・観察した結果、昨年度の竹粉を利用した時に比べ濁度の上昇が抑えられ、pHもアルカリ性からほぼ中性へと改善が見られた。
同科の野口洸太さん(18)は「この研究が東広島市の環境保全への発展に少しでもつながれば嬉しい。将来的にはより良い環境にすることで住みやすい地域づくりに貢献していきたい」と話した。
今後は、竹炭以外にも水生生物や水生植物を取り入れ、水質の改善を行うとともに、ビオトープ内の自然が周辺環境や生物と共存できる環境づくりを目指す。また、他学科や地域と連携し、竹資源を活用した循環型社会を目指していく。