広島県内農業ニュース

【広島市】ビルに囲まれた田んぼに実りの秋 認定こども園光明学園が稲刈り / 小学生が稲刈り体験「農」と触れあう 伴小学校

2024.10.29
県内農業

 広島市東区の認定こども園光明学園の園児92人が11日、JA広島市大手町支店の組合員、中石和宏さん(55)の圃場で稲刈りを行い、同支店からも支店長と職員の3人が応援に駆け付けた。この日刈り取った稲は5月に園児らが苗を植えたもの。今年で24回目を迎えるこの取り組みは、農地が減少する住宅街で同園と地元地域が協力して食農教育を行い、中石さんの父親の代から続く地域の伝統行事となっている。
 当日は、園児が豊作に感謝して和太鼓を演奏した後、地元の牛田木遣保存会の篠原光人さん(84)の歌う「稲刈り道中歌」にのせて保護者や地域の人も見守る中、青空の下で稲刈りが行われた。収穫を終えた野村周平さん(6)は「大きく育ってくれて嬉しい。難しかったけど、きれいに刈れて楽しかった」と笑顔で話した。今後園児らは、天日干しした稲の脱穀作業後、自分たちで漬けている梅干しとともに3月におむすびパーティーを開く予定。
 中石さんは「農作業中に若い人から『昔ここで田植えと稲刈りをしました』と声をかけられる。亡くなった父親の思いが世代を超えてつながっていることが嬉しい」と話す。

 JA広島市伴支店の組合員、川﨑龍一さん(59)は17日、広島市立伴小学校の収穫体験を受け入れた。児童らは5月に川﨑さんの圃場で田植えを行っており、自分たちが植えた稲が育つ生長過程を観察し、稲刈りに臨んだ。
 稲刈りを体験したのは5年生の児童約160人。児童らは川﨑さんや同支店の営農指導員の吉田耕司専任課長から鎌の扱い方や稲の刈り取り方の説明を受けたあと、グループに分かれて作業した。
 稲刈りを体験した大隅朝陽さん(11)は「鎌で稲を切るのがすごくよく切れたので楽しかった。パンよりもご飯が好き。おむすびにして食べたい」と笑顔で感想を話した。川﨑さんは「実際に圃場で見て触って体験することが大事。農に触れてもらって、米がこうしてできるということを知ってもらいたい」と話す。
 今回刈り取った米は、12月初旬に家庭科の授業でお味噌汁と一緒に食す予定。