広島県内農業ニュース

【ひろしま】畜産農家の安全啓発 ちらしやヘルメット配布 JA管内330戸に

2024.10.16
県内農業

 JAひろしまは和牛繁殖・肥育農家の安全作業の啓発に力を入れる。ちらしによる注意喚起や、JA共済連広島の事業を活用してヘルメットを無償配布。関係機関と連携し、生産者の安全意識を高め、持続可能な農業を後押しする。
 ヘルメットは330個を管内の和牛繁殖・肥育農家らに配布。指導巡回や生産資材の配送で全戸に届けた。牛舎の清掃や家畜の移動時の着用を促し、農作業事故の重症化を防ぐのが狙いだ。
 肉用牛は育種改良が進み、子牛の平均体重や肥育の枝肉重量、脂肪交雑が向上している。広島県子牛せり市場の年間平均体重は2020年に300㌔を超え、23年までの10年間で約17㌔増えた。比較的おとなしいとされる広島血統以外の牛も増加傾向にある。
 県内では、畜産農家の高齢化も進む中、牛の飼養管理中の事故が相次ぐ。ちらしは、JA全農ひろしまなどと作成し、安全対策の強化と徹底を呼び掛ける。JAひろしま畜産課の野津山幹文課長は「畜産での作業事故は、転倒や骨折など重症化しやすい傾向がある。関係機関と連携して啓発活動を続け、生産者を守りたい」と話す。