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【ひろしま】特産「ピオーネ」授業で 「田幸のぶどう広め隊」 生産から販売まで一貫

2024.09.24
県内農業

 広島市安佐南区戸山の農事組合法人「ほなみ」は8月21日、サンフレッチェ広島ユースの選手30人、スタッフ6人を農業体験に受け三次市立田幸小学校の3、4年生14人は、同市特産のブドウ「ピオーネ」を授業に取り入れ、熱心に学ぶ。同市でブドウ栽培の先駆け的な存在、大田幸町の上井田果樹組合の生産者らが協力。生産から販売まで一貫した学習で、地域の良さや産業、「食」への関心を高め、「田幸のぶどう広め隊」としてPR活動を続ける。
 同校では毎年、地域住民やJAひろしまなどと連携して、授業でブドウや米作りなどを学ぶ。3、4年生は、校内の園地で「ピオーネ」3本を管理。10年以上前から、同組合で50年近くブドウ作りに携わる黒瀬隆則さん(73)らが指導する。
 児童は4月に、同組合の園地を見学して、歴史や栽培方法、こだわりなどを聞いた。学校では、生産者らと一緒に「ピオーネ」の芽かきや花穂整形、ジベレリン処理、新梢の摘心、摘粒、袋掛け、鳥獣対策などに汗を流した。酷暑による水不足には、生産者がタンクで水を運び支えた。
 PRイベントでは田幸地区町内会連合会と連携し「ピオーネ」スムージーを振る舞った。約10㌔を原料に提供し、独自のキャラクターやラベルシール、のぼり旗なども作成。18、19日には、合計30㌔ほどを販売し、それぞれ20分で売り切った。
 4年生の源田匠哉さん(9)と古屋しなこさん(10)は「大変な作業も多かったが、地域の方に教えてもらい学校で育てた「ピオーネ」は特別。田幸のブドウを大切にして広めていきたい」と笑顔を見せた。児童は学習の成果をまとめ、11月の発表会で劇を披露する予定だ。