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【福山市】端境期なく周年栽培に励む 周年出荷で地域を盛り上げる

2024.07.02
県内農業

 福山市で多品目を栽培する多木陽平さん(44)は、出荷の端境期をなくした周年での栽培体系を整え、地域農業をけん引する。水管理や摘心作業を徹底し、安定収量の確保に努めている。地元市場やJA福山市の産直市に加え、地域の学校給食にも出荷し、栄養価が高い農産物の提供で子どもの健康増進を支える。
 多木さんは2013年まで市内の漬物会社に勤めていたが、同市箕島町で活躍するホウレンソウ農家の新聞記事を読んだことをきっかけに、地域の新規就農者研修に応募した。
 1年間の研修を経て翌14年に就農し、今年で10年目を迎える。箕島園芸組合に所属し、水はけの良い砂地が広がる同町で、ホウレンソウやシロウリ、金時ニンジンなどを栽培。徐々に栽培面積を増やし、現在では露地とハウス10棟合わせて1㌶で周年栽培している。
 その中でシロウリ栽培では、水管理にこだわって6月上旬から8月中旬にかけて出荷する。調整がしやすいハウスで栽培し、圃場(ほじょう)ごとに生育状況を確認しながら適量を見極める。生育促進や病気予防につながる摘芯を徹底し、良好な色付きと大きさに仕上げる。
 販路は、地元市場やJA福山市の産直市に加え、地域の小学校にも確保する。多木さんの娘が通う小学校を含めて全4校の学校給食に、多木さんが栽培したニンジン、コマツナ、ナスなどが使われる。栄養価の高い農産物の提供で子どもの健康増進を支える。
 適切な栽培基準で生産され、栽培履歴が確認できる安全・安心な、ふくやまブランド農産物「ふくやまSUN」にも選ばれる。多木さんのおすすめレシピは、ポテトサラダやナムル。「シロウリのコリコリ食感が楽しめる」と笑顔を見せた。