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家庭で手作り干し柿はいかが? 西条柿「冠付」が出番

2013.10.22
県内農業

 干し柿用西条柿の出荷が福山市や三原市、尾道市から始まっている。広島市中央卸売市場ではキロあたり300円前後で取引されている。脱渋を目的に天日干しするため、縄に吊るす時に必要な枝を残して出荷することから通称「冠付」と呼ばれている。

 糖度18前後と高糖度で知られる西条柿は干し柿にすると果汁が濃縮され、羊羹のような濃厚な味に仕上がる。長期の保存もできることから非常食としても古くから人気がある食材だ。枝を残して収穫することから樹勢維持や次年度の結果枝確保が難しい等の課題もあるが、同市場では、産地でドライアイス脱渋して出荷される生食用の西条柿と同等の価格で取引されるほど引き合いが強い。一方、店舗では袋に小分けされ、吊るし用の縄と干し柿の作り方レシピを同封して販売されており、近年は年齢層の若い家族連れの購入も多いという。

 JA広島果実連の下岡正次長は「季節のイベントとして干し柿作りを楽しんでいる家庭が多いようだ。古くから継承されてきた食文化を守る意味でも大切に販売したい」と話す。

(南部)