広島県内農業ニュース
土壌簡易診断を徹底 高品質ホウレン安定出荷 庄原市本村町 須澤進一さん
2019.04.24
県内農業
庄原市上谷町の須澤進一さん(30)は土壌診断に基づく高品質、安定生産のホウレンソウ栽培に力を注ぐ。毎年、JA庄原に土壌診断を依頼するとともに、作付け前には必ず、簡易計測器で土壌酸度(pH)と電気伝導度(EC)を計測。土壌の状態を把握し、適正な肥料散布を行うことで、年間平均6作の安定した生産につなげている。
須澤さんは「将来は農業で食べていきたい」との思いから県立農業技術大学校に入学。卒業後、県内の農業法人などで経験を積む中で、亡くなった祖父母が栽培していたホウレンソウでの就農を決意した。2016年には、父親の勧めもあり、1年間同町のホウレンソウ農家で栽培技術を学んだ。
17年にハウス7棟、約21㌃で就農。良質なホウレンソウの安定生産を目指し、研修で学んだ簡易診断を活用する。毎回、収穫後にはハウス内の5カ所から土壌サンプルを採取し、pHとECを調査。数値と播種する時期によって、石灰や肥料を㌔単位で調整し、散布する。
就農時から継続することで土壌が改良され、18年度の出荷量は、1カ月当たり約90㌔増加し、秀品率も約11%上昇した。年間を通じ、EC0.3~0.5mS/cmを維持し、資材コストの削減にもつなげている。
5月にはハウス4棟の建設を予定し、約16㌃拡大する。須澤さんは「土づくりを徹底し、安全・安心なホウレンソウを届けることが第一。少しずつ規模を拡大し、雇用を生み出し地域に恩返しがしたい」と力を込める。
(庄原)