広島県内農業ニュース
「結び付き米」開発・販売に力 実需者ニーズ踏まえ商品化 「広島県庄原産高野こしひかり」
JA庄原は、実需者の要望に応じた品種や外食・中食向けにニーズが高い業務用米の作付けを推奨し、2018年産からは、計画生産に基づく買取契約を導入した。主食用米の販売面では、取り組みの一つとして、生産者と消費者を結ぶ精米商品「結び付き米」の開発と販売に力を入れる。「人と環境に優しい安全・安心な米づくり」を理念に、生産者が安心して米作りに専念できる環境作りに取り組む。
8つ目の「結び付き米」として、昨年12月からJA全農ひろしまと庄原市高野町を産地指定した精米商品「広島県庄原市産高野こしひかり」の販売を始めた。商品化に向け、17年12月にJAと5法人、JA全農ひろしまで検討班を結成。異なる栽培基準の統一や米袋のデザインなどについて、1年以上協議を重ねた。
包装は、標高600㍍に位置する自然豊かな同町の清らかな水をイメージし「大鬼谷 雄滝」を描き、裏面には町内の名所や特産品を季節と一緒に紹介した。食味は「うま味と粘りのバランスがよく、特に舌で感じるうま味は、多くの品種を卓越している(全農ひろしま)」。県内のスーパーを中心に販売し、18年産は140㌧を見込む。
16日には広島市内の量販店で、生産者やJA職員、JA全農ひろしまの親善大使「JAお米のアンバサダー」などが来店者に試食を配布。栽培方法のこだわりや産地情報を伝え「広島県庄原市産高野こしひかり」のおいしさをPRした。
農事組合法人ファーム南の代表理事の長瀬廣司さん(62)は「生産者の思いが伝わる精米商品を、JAが提案してくれた。高野の名前が入る、こだわりのお米を多くの人に知ってもらえるよう、しっかりと生産したい」と意気込む。今後は、高品質・良食味米の生産に向けた研修会や栽培期間中の使用農薬を県の基準から5割以上削減した特別栽培米の生産を予定する。
JAの瀬尾範芳専務は「実需者のニーズを把握し、販売力・ブランド力強化に取り組み農業者の所得増加につなげたい」と力を込める。(庄原)