広島県内農業ニュース
創立110周年迎える 県立庄原実業高校
2018.11.20
県内農業
広島県立庄原実業高校が2018年度、創立110周年を迎えた。県北部地域の農業を担う人材を育成するため、1908(明治41)年に比婆郡立実業高校として開校。校訓「質実剛健」のもと、これまで1万9000人を超える優秀な人材を輩出した。卒業生は、県内外のさまざまな分野で活躍している。
庄原市口和町の獣医師の平田晴美(65)さんもその一人だ。実家の和牛繁殖を継ぐため1969年、畜産科に入学。しかし3年の秋、教頭先生と担任から獣医師を薦められ、家族や親族を説得してもらい、麻布獣医科大学(現:麻布大学)に進学した。
進学後は、猛勉強で国家資格を取得し、広島県農業共済組合に就職。常に農家目線での診療を心掛け、県内の家畜農家を巡回。2014年からは庄原家畜診療所で、昼夜を問わず車を走らせている。平田さんは「実業での出会いや経験が、私の人間形成の礎になった。生徒も目標や夢を高い所に掲げ、頑張って欲しい」と在校生を激励する。
10日には、庄原市の同校で創立110周年の記念式典があり在校生や卒業生など約500人が出席。八幡茂見校長が創立の経緯や地域農業の先駆的な役割を担ってきた歴史を紹介した。生徒を代表し、食品工学科3年の小林千恵さん(18)が長期間の現場実習や地域農業探究などを通じて将来進むべき方向性が明確になったと報告。「良き伝統と文化、校風を後輩たちにつなげていくことが、私たちの使命。社会に貢献できる人間性豊かな職業人となれるよう、日々精進していきたい」とあいさつした。
同校は、2015年度に県内で初めて文部科学省の「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール(SPH)」に指定された。17年には第11回全国和牛能力共進会の第7区総合評価群に県内の高校として初めて出場した。(庄原)