広島県内農業ニュース
産直出荷農家や小規模農家の育成でキュウリの生産振興を/JA広島北部
JA広島北部きゅうりグループは2017年度、産直出荷農家や小規模農家を育成し、生産振興に取り組む。北広島町の千代田・大朝地域で約40年前からキュウリが栽培され、市場からは県内の貴重な夏秋キュウリの産地として引き合いが高い。
管内では、1980年代には約90戸の農家が10ヘクタールで栽培し、生産が盛んだったが、近年では高齢化や後継者不足により生産量が減少していた。
同JAの営農振興部は生産量のアップを目指し、今年度、初めて産直部会(千代田・大朝)の農家へ市場出荷を呼びかけた。産直出荷農家は出荷量が少なく高単価が狙える4月定植を、グループ生産者には4月と8月定植の2期作を提案。グループ生産者と産直出荷農家が出荷時期をずらすことで、長期間、安定出荷が可能となり、契約販売の拡充ができ農家所得の向上につなげる。
産直出荷農家は、グループの講習会で栽培技術を学び、共同選果場を利用して市場出荷した。JAは品種も長期間、安定出荷できる品種を採用。ハウス用に「エクセレント620」、露地用に「豊美2号」を導入した。また、他産地との差別化にも取り組んだ。出荷用の段ボール箱を機能性のある低コストのものに切り替えた。新しい段ボール箱は上蓋にミシン目があり、手で切り取ることができる。スーパーで開封後、箱のまま棚に陳列できるためスタッフの作業時間が省ける。差別化で有利販売につなげたい考えだ。
その結果、6月上旬から10月上旬まで出荷が行われ、出荷量は約59トン(前年比29%増)、販売高は過去10年間で最高の1,400万円(前年比15%増)となった。
安芸高田市内のJAふれあいたかた産直市で3日、キュウリ栽培研修会を開き、産直出荷農家20人が参加した。研修会で講師をしたJA営農振興部の大本昌司営農指導員は「出荷量の少ない時期に市場出荷して農家所得を上げよう」と呼びかけた。
(広島北部)