広島県内農業ニュース
ワインを通じて地元農業の発展に貢献/商店街にワイナリーを設立/福山わいん工房
2016.09.20
県内農業
福山市瀬戸町、蔵王町などで栽培されるブドウ「ベリーA」を使用したワイナリー「福山わいん工房」が同市霞町で開業した。11月の初出荷を目指し、ワイン造りの仕込みに励んでいる。
福山市内でワインバーを営む同市伊勢丘の古川和秋さん(32)は、調理師専門学校在学時にフランスのシャンパーニュ地方に渡り、フランス料理やワイン造りなど本場の技術を取得した。昨年6月には出資を募り、ワイナリー運営会社「アニヴラン」を設立。今年の7月には、観光客などが訪れやすいようJR福山駅に近く、中国地方では珍しい商店街にワイナリーを造った。建物は2階建てで、ブドウを搾る機械や約500リットルのタンク23基などを備える。工房内は予約があれば見学も受け付け、来年1月ごろには2階にワインバーを開く予定だ。
JA福山市から、地元福山産「ベリーA」約3.5トンの仕入れを見込み、他にも三次市や県外産のブドウも使用。主にスパークリングワインの製造を計画する。造られたワインは工房や地元の飲食店で販売する他に、関東や関西のワインショップなどに出荷を予定し、広く福山をPRする狙いだ。
古川さんは「地元のブドウを原料に、福山でしかできないワインを造り、大好きな福山の町を元気にしたい。そして将来は、ワイン造りの担い手や農業経営者を育成するとともに、休耕地の活用や農業従事者を雇用し、地元農業の発展に貢献したい」と意気込みをみせる。
(福山市)