広島県内農業ニュース
根域制限栽培で高品質のぶどう栽培へ/JA広島中央
2016.08.18
県内農業
東広島市河内町宇山地区の菊田政文さん(65)は、同地区のブドウ産地を守る唯一の担い手だ。今年から高齢化と後継者不足が進み、維持管理が難しくなった宇山生産組合の30㌃の畑を引き受け、70㌃を切り盛りする。
菊田さんは20年前にUターン。標高350㍍の南傾斜で日当たりが良い条件を生かし、ブドウ栽培を始めた。ハウス7棟(40㌃)と露地30㌃で、時期をずらして出荷する。
横4㍍、縦50㌢、高さ50㌢のプラスチック製プランターに1樹を植え、48房の果実を実らせる。ハウスの温度とかん水は自動制御で管理。慣行栽培ではきめ細かい肥料や水の管理が必要だが、根域制限栽培で根の伸長を抑え、培土や肥料、水を節約。省力、低コスト化を図る。通常は棚の高さを180㌢に仕立てるが、菊田さんは目の高さの150㌢に抑え、作業効率を上げる。
「ピオーネ」「藤みのり」「安芸クイーン」「シャインマスカット」など約20種類を500本栽培。味や実の大きさを調節し安定収量を実現。糖度や酸味のバランスが良い高品質なブドウに仕上げる。
10月中下旬まで、JA産直市「となりの農家」やJA全農ひろしまの直売所「とれたて元気市」などに出荷する。菊田さんは「手間暇を掛けて育てたブドウを多くの人に味わってもらいたい。他産地に負けないよう、これからも技術を向上させたい」と意欲を燃やす。
(広島中央)