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柿「西条」高品質へ JA広島中央生産出荷組合
JA広島中央の原産西条柿生産出荷組合は、整枝剪定を徹底することで、2017年産の柿「西条」の大玉、秀品率の向上を目指す。JAの果樹専門営農指導員が園地を回り、個別に作業方法を指導。農家ごとで異なっていた栽培方法を統一し、樹高を低くして育てる低樹高栽培に全戸で取り組む。
「西条」は樹勢が強く、樹高4㍍以上に育った木もある。徒長(枝や茎の間延び)しないように、3年かけて樹形を計画的に改造し、最終的には樹高230㌢に抑えることを目標にする。低く仕立てることで、作業での脚立の使用回数が減り、作業効率が上がる。高齢化している生産者にとっても安心して作業ができる他、日が良く当たり、風通しが良くなるので病害虫の発生が少ない。
JA営農指導員が組合全戸43戸を個別に訪問し、1本ずつ木を確認している。昨年12月から2か月間で切り落とす枝にテープで印をつけて、骨組みの剪定を指導した。2月からは小枝の剪定をしている。農家の一人、大成玉光さん(91)は「どの枝を切ったらいいのか判断が難しかったが、指導のおかげで思い切って枝を切ることができた」と話す。
「西条」はJA管内の西条町が発祥の地として知られる。現在8㌶で栽培する。2015は霜の影響が少なく順調に育ち、出荷量は前年の3倍の33㌧と順調だった。ただ、秀品率が全体の17%と低く、階級はLサイズ以下が全体の52%と小玉傾向だった。
JAは、市場での需要が高い2Lサイズ以上で良質な柿を生産することで、安定生産と農家所得の向上を図ろうと、果樹専門指導員の配置で指導に力を入れている。剪定や摘蕾、摘果作業を徹底することで良質生産を目指す。
組合の沖本孝仁組合長は「低樹高栽培の技術を身につけ、剪定作業を徹底することで、良質生産につなげたい」と意欲を見せる。
(広島中央)