広島県内農業ニュース
白ネギ産地化へ着々
2015.12.01
県内農業
JA広島中央は、白ネギの一大産地化を目指し、生産と販路の拡大に力を入れている。初年度の2010年度は5㌧だった出荷量は14年度には190㌧と、わずか4年で38倍に拡張。生産者の高齢化や過疎化が進む中、着実に生産を伸ばしている。2年後の17年度に1億円産地になるよう、計画を進める。
15年度の栽培面積は昨年度比67%増の14.3㌶。出荷量は290㌧、販売高7000万円を見込む。JA広島北部とのリレー出荷を中心に学校給食センターや地元スーパーへ出荷することで、県内での消費拡大を狙う。
JAは10年に東広島市八本松町で栽培をスタートさせ、11年には東広島地区野菜生産振興協議会白ネギ部会を立ち上げた。管内は水稲と夏野菜が主力作物だったが、白ネギは稲作の農閑期に収穫ができ、安定的な需要が見込めることからJAは、戦略的作物と位置付け、管内全域での生産拡大を狙う。
14年度からはJA広島北部と連携してリレー出荷を本格的に始めた。JA広島北部産が終わり、全国的に需要が高まる12~2月にJA広島中央が出荷することで、県内や関西のスーパーと契約栽培を結んだ。JA広島中央は15年度、新たに栽培暦を作成して栽培技術と管理を徹底している。定植機とネギ用管理機を導入し、生産者に貸し出すことで、生産者の拡大を図っている。
管内最大面積2.2㌶で栽培する八本松町の農事組合法人「よしかわ」は11月中旬から出荷を始めた。同法人の選果場には初日は、600㌔の白ネギが運び込まれ、組合員が根切り、葉切り、皮むき作業をして箱詰めした。白ネギ部会の田中正典部会長は「若い生産者も増え、部会が活気づいている。生産拡大し、一大産地にしたい」と意気込む。
(広島中央)