広島県内農業ニュース
冷房貯蔵レモン出荷
2015.05.26
県内農業
JA呉のJAくれ選果場で、冷房貯蔵レモンの選果が始まった。夏場に最需要期を迎えるレモンだが、露地栽培物だと通常5月上~中旬に出荷が終わるという課題があった。市場からは周年供給を望む声が多くあり、2008年からレモンの冷房貯蔵に取り組んでいる。
貯蔵性が高いとされる1月の収穫後、手作業で階級ごとに仕分け鮮度保持フィルムで個装し、一定温度に保った貯蔵施設で冷房貯蔵したもの。消費者へ届くまでの品質低下を極力防ぐため、貯蔵施設内で出荷時の箱詰作業し、輸送トラックも保冷車を使う。荷受会社も冷蔵貯蔵に気を配り、仲卸・販売店までの輸送も冷蔵で取り扱う。市場と連携することで、生産・輸送・消費の過程の間で途切れることなく低温に保ったまま流通させる仕組み(コールドチェーン)とする。
特に14年産は、呉市から助成を受けて貯蔵コンテナ用衝撃緩衝資材と貯蔵施設内に鮮度保持装置を3基設置することができ、貯蔵中に一番の問題となる果実が受けた衝撃からの腐敗や経時変化によるヘタ枯れ、果皮障害の発生等のロス率が低減され、近年では最も鮮度を保持した状態に仕上がっている。
同選果場の今田隆司場長は「レモンの周年供給に向け、一定の成果が出てきている。年々取り組む生産者も増えてきており、産地活性化の商品として大いに期待している。フレッシュなレモンを夏場にぜひ味わってもらいたい」とアピールする。
同レモンは、同選果場管内の倉橋町・下蒲刈町・蒲刈町の生産者32人が取り組み、主に関西市場へ約7.5㌧の出荷を見込む。
(呉)
トメ