広島県内農業ニュース

蒲刈町特産アンコールの選果はじまる

2015.04.24
県内農業

 呉・アンコール初選果JAくれ選果場で20日、蒲刈特産の柑橘「アンコール」の初選果場で行われた。

 県内唯一の産地である呉市蒲刈町大浦地区で2戸の農家が生産・出荷している。「アンコール」はアメリカのカリフォルニアで「地中海マンダリン」と「キング」を交配して生まれた品種で、温州みかん同様に簡単に皮がむけて中の薄皮ごと食べられる簡便性、強烈な甘みと皮を剥いた際の、アンコールにしかない爽やかな香りが特徴。

 また、果皮は鮮紅色で艶があり非常に美しい。出荷時期がゴールデンウイーク頃となるため、帰省時の手土産や母の日のギフトとしても人気が高い。

 アンコールはかつて県内他地区での栽培も行われており、JAくれ選果場管内でもピーク時には17戸の生産者が30トンを出荷していたが、品種更新や高齢化により生産者が減少、唯一残っているのが蒲刈町の大浦地区のみで、広島アンコール組合の2戸の生産者が栽培している。収穫は3月中旬におこなわれ、約1ヶ月の間追熟させることにより、より濃厚で、まろやかな食味に仕上げて出荷している。

 JAくれ選果場の海生理人さんは「アンコールは施設で大切の育てられるため夏秋期の台風や冬季の寒波による影響がなく、例年どおりの順調な仕上がりとなった。母の日のギフトなど、特別な日にぜひ味わってもらいたい」と出来ばえに自信をみせる。

 アンコールは丁寧に化粧箱に箱詰され、5月中旬まで約3トンを広島中央市場へ出荷する予定となっており、広島市内の百貨店などの店頭に並ぶ。