広島県内農業ニュース
ふるさとの味「わさび漬け」を継承
2013.09.03
県内農業
三次市君田町の松本寛治さん(60)は、会社を退職した後、故郷に戻り、町の味として親しまれている「わさび漬け」の生産販売に取り組んでいる。
「わさび漬け」は、葉わさびを利用した「もろみ漬け」「粕漬け」「酢漬け」の三種類。1980年に母親のタツコさん(87)が中心となって活動をはじめた「みどりグループ」が試行錯誤の末に世に送り出した。「ごはんとの相性がよく、食がすすむ」と同町に帰省した人や君田温泉を訪れる観光客のお土産の定番になっている。
グループのメンバーが高齢になり、活動をやめようとした頃、君田町の特産品として広く知られるようになった「わさび漬け」がこのまま無くなるのはさびしいと、寛治さんが町内に住む橋本四十六さん(69)、下山優治さん(64)に呼び掛けて生産を引き継いだ。
現在、メンバーは男性3人。自宅近くにある加工所で、年間5000本余りを生産する。タツコさんも加わってビン詰め作業などを手伝う。
「同じ味を出すのが難しく。衛生面ではかなり気を使う」と代表を務める松本さん。「新たな商品開発に取り組み、お客様の選択肢を広げたい」と意気込んでいる。
葉わさびのもろみ漬けは一瓶(180㌘入り)724円(消費税込)で道の駅「ふぉレスト君田」の「おはよう市」で販売している。