広島県内農業ニュース
【ひろしま・広島中央】農業法人で女性が活躍 三原市大和町のユートピアかみなか
2025.04.22
県内農業
三原市大和町の農事組合法人ユートピアかみなかで、女性が活躍する。作業に従事するメンバー23人のうち、女性は12人。水稲の作業やレンコンの出荷調整を担う他、大型特殊免許を2人が取得し、トラクターやコンバインなどのオペレーターも担う。過疎化が進む中、男女を問わず農業に携わることで、地域農業の維持発展に取り組む。
同法人は2003年に設立。現在、組合員は57名で、集積面積は35㌶。水稲、大麦、レンコンを生産する。
理事の山口龍子さん(72)が2006年、事務担当として法人に携わることとなり、女性参画が始まった。家の農業で機械も操縦していた山口さんは、法人でも作業を担うようになった。子育て時代に仲良くなった地元の友人らを誘い、次第に女性が集まるようになった。
山口さんが女性の仕事を段取り、理事の金近早苗さんがLINE(ライン)などを使って出勤できる人を取りまとめる。地元の法人とあって、「融通が利き、無理なく柔軟な働き方ができる」とメンバーは言う。
4月上旬の作業では、女性5人、男性11人が出勤。芽出しをした水稲苗を人海戦術でビニールハウスに並べた。
レンコンのパッケージや出荷箱も女性メンバーがデザインした。バイヤーと商談できる見本市などにも参加して販売を強化。廃棄率の高い部位を活用したレンコンチップを考案し、広島市のホテルで採用された。
後継者不足が課題だが、山口さんは「スマート農業なども取り入れ、無理なく続けられる農業で地域を守っていきたい」と展望する。