広島県内農業ニュース
祇園パセリを栽培/片木孟さん
2014.02.04
県内農業
広島市安佐南区祇園で定年退職後、約20年パセリを栽培する片木孟さん(84)は、長い時間をかけて祇園の風土の中で自家採種に励み「祇園パセリ」というブランドを築きあげてきた。このパセリは、葉が細かく縮れ肉厚でやわらかく、濃い緑色が特徴だ。
「食後の皿にパセリが残されることを思うと切ない。飾りで終わることが多いパセリを不憫に思う」と片木さん。料理の彩りとしてのイメージが強いパセリだが、栄養価が高く、ニンジンに匹敵するカロチンに加え、ビタミンCや鉄分も豊富。新鮮なものを生で食べるほか、天ぷらやおひたし、乾燥させてふりかけにするなど、様々な食べ方がある。広島文化女子短期大学では、5年前から祇園パセリを使ったレシピ開発にセミナーで取り組んでおり、JA広島市の農業祭などの場で披露している。
片木さんは、学校給食への食材提供も15年ほど前から続けている。地元小学校の児童は自分たちの町の特産品を学ぼうと片木さんの畑を訪れ、育て方や栽培の工夫、苦労について熱心に学んでいる。「若い世代が祇園パセリに関心を持ち学び、考えてくれることは嬉しい。年を重ねるごとに体のあちこちに故障が出てくるが、限界を感じながらも、やれるまで祇園パセリを守り続けたい」と話す。
(広島市)