広島県内農業ニュース
【福山市】祖父の園地を引き継ぎ就農 特産柿「富有」栽培 品質にこだわり
2024.11.19
県内農業
生産量が広島県内一を誇る特産柿「富有」を栽培する福山市松永地域の川中満さん(44)は、玉太り良くきれいに仕上がる栽培管理に力を注ぐ。丁寧な摘蕾や摘果に加えて、病害虫防除の徹底によって玉太り良くきれいな果実を収穫。体調を崩して耕作放棄地になっていた祖父の園地を受け継ぎ、栽培に励む。
就農して2年目を迎えた川中さんは幼少期のころ、祖父の柿栽培の手伝いを通じて農作業に触れていた。働く中で、もともと自然の中で体を動かすことが好きだったことから、祖父の土地を守りたいという思いで心機一転して就農した。
同地域の松永果樹園芸組合柿部会が実施する担い手育成研修の研修生として参加した。2年間、先輩農家から栽培基礎や技術を学び昨年に就農。現在は、70㌃の園地で約220本を管理している。
川中さんのこだわりは、玉太りが良くなる日々の管理。剪定(せんてい)では枝と枝の間隔を広く保ち、十分な日当たりの確保に努めて光合成を促進させる。次年度の作業効率も考えながら、一層の品質向上を目指す。
今年は、夏場以降も高温が続いたことで色づきが心配されたが、秋口からの適度な降雨と気温が下がり、色づき・玉張りともに良好に仕上がった。
生産量は平年並みの100㌧を見込み、12月上旬までにJA福山市の農産物直売所「FUKUYAMAふくふく市」や広島市場へ出荷。川中さんは「一つひとつの丁寧な作業と技術向上に励み、高品質でおいしい柿を出荷していきたい」と意欲を見せる。