第28回JA広島県大会〜組合員とともに自己改革で未来を創る

第28回JA広島県大会〜組合員とともに自己改革で未来を創る

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「食と農を基軸に地域に根ざした協同組合」として
社会的役割を果たしている姿をめざして

JAグループ広島はこれまで、組合員を対象とした総合事業を展開することにより、正組合員である農業者の営農とくらしを支えるとともに、准組合員である地域住民の生活に必要とされる質の高いサービスの提供を実現し、農業振興、地域振興、農業・農村の多面的機能発揮などに重要な役割を発揮してきました。

 

そして、第27回JA広島県大会(平成27年(2015)11月)においては、JAグループを取り巻く情勢や課題、果たすべき役割などを踏まえ「自己改革で創る農と協同の新時代」を主題として「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」に直結する分野を重点化して取り組むことを定めて、創造的自己改革として大会決議実践期間である平成30年(2018)度現在も挑戦しています。

 

一方で、第27回JA広島県大会以降も、わが国全体として人口減少や社会の超高齢化は進み、農業生産基盤も急速に脆弱化しています。特に地域の農業や社会が急速に姿を変え、地域社会・経済の疲弊とともに人と人とのつながりの組織であるJAの組織基盤が弱体化するなど、取り巻く環境は厳しさを増しています。

 

また、平成30年(2018)7月初めに西日本を中心に襲った記録的な豪雨は、広島県においても大きな爪痕を残すこととなりました。
かけがえのない多くの命が失われ、水田・畦畔、畑、水路、農業施設等の土砂埋没、崩壊等は県内全域に及び、組合員の営農とくらしに甚大な影響を与えています。
JAグループ広島は、行政等と緊密な連携を図りつつ、持続的な復興対策に取り組み、被災地の営農と地域生活の復旧に貢献していくことが必要です。

 

そうしたなか、JAグループは3つの危機に直面しています。

 

一つ目は、協同組合の危機です。国際的には、行き過ぎた資本主義・個人主義やグローバリズムに端を発する現代の社会・経済が抱える課題を協同組合の思想と実践によって解決しようとする機運が高まっていますが、わが国では、協同組合の役割と価値に対する無関心あるいは無理解・誤解・曲解の動きが感じられます。また、組合員構成が多様化するとともに、組合員からみて「JAは選択すべき地域の一企業」、職員からみて「組合員は不特定多数の顧客(お客さん)」という意識と関係性の強まりが感じられます。

 

二つ目は、農業・農村(生産現場)の危機です。高齢化や深刻な担い手不足等により、農業生産基盤は縮小傾向にあり、農村は深刻な過疎化に直面しています。
また、国際通商交渉では、平成30年(2018)度内にTPP11協定と日EU・EPAが発効され、さらに日米TAGの交渉が開始される予定など、農畜産物貿易の自由化がさらに進み、大きな打撃を受ける懸念が強まっています。
そうしたなか、平成29年(2017)度は、食料自給率が生産額ベースで65%(カロリーベースで38%)となっており、国民への将来にわたる食の安定供給という観点から、食料自給率の低下が懸念されます。また、本県においても、2040年には農業従事者が約15,000人に激減、そのうち80歳未満の農業従事者は約5,600人に減少する予測がされています。

 

三つ目は、組織・事業・経営の危機です。地域社会・経済の疲弊とともに人と人とのつながりの組織であるJAの経営基盤が弱体化しており、事業の取扱高は総じて減少傾向にあります。とりわけ、マイナス金利等を背景として、今後、信用事業の収支悪化が見込まれ、JA経営全体への影響が懸念されます。さらに、地域の農業や社会構造の変化が、組合員の共通の理念の実現をめざすJAの事業・経営にさらなる影響を与えることが危惧されます。

 

併せて、農林水産省が、主として認定農業者を対象に、平成28年(2016)度から実施している「農協の自己改革に関するアンケート」の平成30年(2018)度の結果によると、JAグループの自己改革の取り組みは、年度ごと(28年(2016)度~30年(2018)度)に進捗しているとの評価は得ているものの、JAグループ自身の改革取り組み意識と組合員の受けとめとの間には、依然として大きな隔たりが生じたままとなっています。

 

このことは、JAグループの自己改革の取り組みと成果が組合員に十分に伝わっておらず、組合員とともに進める自己改革となりえていないことを表しています。
このため、JAグループ広島は、現在取り組んでいる組合員との徹底した話合い等の活動を、一層、実践的な取り組みに深化させ、自己改革の取り組みを組合員と共有化する運動を展開します。そして、組合員の意思を十分に反映した協同の力の結集を図り、組合員とともに3つの危機に立ち向かう自己改革に邁進することとします。

 

今大会は、「平成30年7月豪雨災害」からの復興にJAグループの総合力を発揮した取り組みを示すとともに、現在、鋭意取り組んでいる「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」に関わる各施策の徹底実践に挑戦します。
加えて、厳しさを増す経営環境に対応した「持続可能なJA経営基盤の確立」に不退転の決意で臨み、組合員とともに進める自己改革で地域と農業の未来を創っていくとともに、将来を展望した新たな県域統合JAの創造に取り組みます。

summary

大会概要

第28回JA広島県大会

議案上程 広島県農業協同組合中央会
専務理事  坂本 和博
議案審議(意見表明) 広島県農業協同組合
青壮年連盟委員長  中谷 道宣
JA広島県女性組織協議会 会長  
平 律香
大会決議 広島中央農業協同組合 
代表理事組合長  河野 孝行
特別決議 三次農業協同組合 
代表理事組合長  新田 靖
三原農業協同組合 
代表理事組合長  西原 常雅
大会宣言 福山市農業協同組合 
代表理事組合長  山上 一成
第28回JA広島県大会第28回JA広島県大会

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農業・農村再興フォーラム

事例発表 「JA自己改革と徹底した話合い実践運動」
広島中央農業協同組合
代表理事専務  佐伯 隆弘 様
基調講演 「震災からの復興と「農業王国ふくしま」の新たな創造への挑戦」
ふくしま未来農業協同組合
代表理事組合長  菅野 孝志 様
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